HOME > お役立ち情報 > 他科医に聞きたいちょっとしたこと > no.561 vol.54「続 他科医に聞きたいちょっとしたこと(II)」 > 口腔内乾燥症の治療について

外来で高齢者の診療をしていると、「口の中が乾く」「舌がひび割れて痛い」というような口腔内乾燥症によると思われる症状をよく聞きます。基礎疾患がとくにない患者さんでも上記の症状を訴えることが多いように思います。このような患者さんへの治療および対処法についてご教示をお願いいたします。(島根県・内科)
口腔乾燥症は、唾液腺の何らかの障害によって唾液分泌低下による口腔の乾燥感を生じ、口腔の違和感、強い口臭、舌痛症や口腔粘膜の疼痛、口内炎や口腔カンジダ症、粘膜潰瘍や義歯性潰瘍の頻発、咀嚼、嚥下、味覚、構音などの障害を示すようになります。ときとして口渇(喉の渇きを訴え冷たい水をほしがる)を伴うこともあります。
(1)生活習慣(濃い味付け、酢の物や野菜を嫌う偏食、ストレス、咀嚼回数の減少、水分摂取不足、過度の飲酒、口腔ケアー不良、喫煙、口呼吸など)や生理的脱水(脱水、高熱、出血、浮腫)
(2)口腔乾燥を呈する疾患(歯周病、甲状腺機能亢進症、性ホルモン失調症、尿崩症、糖尿病、尿毒症、肝硬変、リウマチなどの自己免疫疾患、鉄欠乏性貧血)
(3)薬物の副作用(抗ヒスタミン薬、利尿剤、抗不整脈、抗テンカン薬、抗精神病薬、抗血圧薬、降圧薬、筋弛緩薬など)
(4)放射線療法による唾液腺細胞の破壊や加齢による唾液腺の変性、萎縮
(5)ビタミン欠乏(B1、B2、B6、葉酸)など
(6)シェーグレン症候群、口腔カンジダ症
唾液分泌量減少の状態確認と、原因の追求を行い、原因の除去を行うべきですが、他の疾患治療のために、口腔乾燥症の原因薬物などの投薬中止が不可能であることが多いようです。生活習慣に問題がある場合はその改善を行うことが大切です。口腔内を清潔に保つよう食後の歯磨きの徹底と、必要なら歯科医院を紹介して歯石の除去や齲歯の治療をしていただきたい。水分の摂取の促進や偏食の改善を行い、食事からビタミンB類、葉酸、などを摂るようにしていただきます(ビタミンB類は、鯛、鯖、カレイ、豚ヒレ肉、大豆、小松菜、ほうれん草。葉酸は肉類や昆布、ひじきなどの海藻類)。キシリトール入りのチューインガムを噛むことも有効です。
患者さん自身に耳下腺を外部からマッサージをしていただくだけでも、かなりの効果があります。
漢方薬を含む唾液分泌を促す内服剤の使用は有効です。しかし、それらにも十分に反応しない症例には、トローチ剤や含嗽剤も効果的です。高度乾燥症での頻回の清水による含嗽は、かえって口腔内の保湿成分の喪失につながるので逆効果です。むしろ人工唾液などの保湿成分を含んだ薬剤の使用が望ましいようです。それらに効果がない場合、軟膏が有効な症例もあります。
意識がない患者さんが口呼吸を行っているような症例では、口腔内の清拭を行った後、オリーブ油をワッテに浸して、口腔内、口唇部に薄く塗布することを1日数回行うと効果的です。
処方例
処方例
処方例
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